思い通りにならない日々を過ごし、
ご不安なことと思います。
そんな私たちの心を知ってか知らずか、
ここ箕面では山は色を少しずつ変えながらも、
ただそこに在ります。
水は高きから低きへと流れていきます。
風が次の季節の匂いを運び、鳥は自由を謳歌しています。
国定公園の雄大な自然に抱かれた
音羽山荘ではその恩恵に与りながら、
時に厳しい自然を通してどこかで
思い通りにならないことを受け容れ
楽しむ術を教わってきたのかもしれません。
人の暮らしぶりが変わり始めた今、
改めてそんなことを思ったりしています。
どうか一日も早く、季節の移ろいを感じながら、
心豊かに過ごせる日々が戻りますように。
音羽山荘を愛してくださる皆さまに
この場所で続く静かな日々の営みを
季節の便りにのせてお届けします。
大切な時間、懐かしい風景を思い出して
和んでいただけましたら幸いです。
笑顔でお会いできる日を楽しみにしております。
鯛の白子をうらごしして葛と出汁で練り合わせた白子豆腐に山菜(タラの芽・菜の花・蕨・土筆)のおひたしを添え、鰹出汁のジュレをかけました。白子豆腐を雪に、ジュレを雪解け水に見立て、山里の雪間から萌え出す若草の春を表現しました。早春にいただく懐石の始まりに相応しい一品です。
こちらの品は、春季限定「山笑う懐石料理(16,500円)」でお召し上がりいただけます。(※3月~5月)
中里 博彦・博恒作
Direction/Design 嶋田聖(BASIC ON) Photograph 増田好郎 Text 加賀谷範子 Column加藤博久(BOOKS+コトバノイエ) planning 田村若菜(音羽山荘)