おたより

ごあいさつ

思い通りにならない日々を過ごし、
ご不安なことと思います。
そんな私たちの心を知ってか知らずか、
ここ箕面では山は色を少しずつ変えながらも、
ただそこに在ります。
水は高きから低きへと流れていきます。
風が次の季節の匂いを運び、鳥は自由を謳歌しています。

国定公園の雄大な自然に抱かれた
音羽山荘ではその恩恵に与りながら、
時に厳しい自然を通してどこかで
思い通りにならないことを受け容れ
楽しむ術を教わってきたのかもしれません。
人の暮らしぶりが変わり始めた今、
改めてそんなことを思ったりしています。
どうか一日も早く、季節の移ろいを感じながら、
心豊かに過ごせる日々が戻りますように。

音羽山荘を愛してくださる皆さまに
この場所で続く静かな日々の営みを
季節の便りにのせてお届けします。
大切な時間、懐かしい風景を思い出して
和んでいただけましたら幸いです。
笑顔でお会いできる日を楽しみにしております。

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器×季節の料理(春)

白子豆腐 山菜のおひたし

  • 鯛の白子をうらごしして葛と出汁で練り合わせた白子豆腐に山菜(タラの芽・菜の花・蕨・土筆)のおひたしを添え、鰹出汁のジュレをかけました。白子豆腐を雪に、ジュレを雪解け水に見立て、山里の雪間から萌え出す若草の春を表現しました。早春にいただく懐石の始まりに相応しい一品です。

こちらの品は、春季限定「山笑う懐石料理(16,500円)」でお召し上がりいただけます。(※3月~5月)

染綿内外牡丹紋 香合

  • 中里 博彦・博恒作

  • 中里 博彦
    1975年、長崎県佐世保市の三川内焼窯元『松雲窯』の双子の長男として誕生。高校卒業後、京都にて村田幸之助氏に南画を師事。帰郷後、中里廣松氏に師事。2007年佐賀県有田町にて『陶房 心和庵』開窯。繊細な筆使いから生み出す色鮮やかな絵柄は、食材とともに食卓に彩りを添える。心豊かな食の時間を演出する器づくりを目指す。

    中里 博恒
    1975年、長崎県佐世保市の三川内焼窯元『松雲窯』の双子の次男として誕生。高校卒業後、中里廣松氏、田沢大助氏に師事。三川内焼の伝統的な風合いも継承しながら、現代人の生活スタイルに合わせた器づくりを目指す。

Direction/Design 嶋田聖(BASIC ON) Photograph 増田好郎 Text 加賀谷範子 Column加藤博久(BOOKS+コトバノイエ) planning 田村若菜(音羽山荘)

コンセプトムービー