春は桜、夏の新緑、秋を彩る照葉、冬を告げる霜柱。
悠久の時を経てなお美しく、時にきびしく、
箕面山の自然は
訪れる人を静かに迎えてくれます。
箕面山は北摂屈指の景勝地であるだけでなく
古くから知られる山岳仏教の聖地でした。
山に分け入り、己の身を通して心の乱れを鎮めるのが
極意とされる修験道。
命の源である山で採れた食材を食することもまた
修行の一つと考えられていました。
日本の精進料理の礎を築いた道元禅師は
「典座教訓」という書物で
食事をつくる人の心構えを次のように説いています。
「食材に対する敬意を持つこと」
「手間と工夫を惜しまないこと」
「三心を大切にすること」
それは、懐石料理の原点でもあり
わたしたち音羽山荘と、志を同じくするものでした。
こんな時代だからこそ、
私たちにしかつくれない精進料理を届けたい。
滝道沿いに佇む小さな旅亭で、
心と体を整えるやさしい時間を。
毎月、日取りを定めてお待ちしております。
「喜心」「老心」「大心」からなる三心。作ること、もてなすことを喜びとし、思いやりや気配りを忘れずに。偏りのない大らかな心で向き合うのが「箕面山SHOJIN」のスタイル。仏教の戒律に基づく精進料理を無理なくのんびりと味わっていただくために、器や盛り付けには音羽山荘らしい彩りを添えて、一皿ずつお出しいたします。
鰹節など動物性の出汁に比べると精進出汁は旨味が少し弱いため、さまざまな素材の出汁をかけあわせることで複雑な味わいを引き出しています。北海道産真昆布の滋味、国産原木椎茸の深い旨味、煎った大豆の香ばしさ。主役となる野菜を立てつつ、淡さの中にコクと香りを秘めた精進出汁に驚いてください。
食材の大部分を占める野菜は鮮度と栄養価の高いものを求めて、近郊の能勢産や農薬・化学肥料の力を借りずに丁寧に育てられたものを中心に。わたしたちも畑に直接足を運び、収穫を行うことで、大地の恵みや旬を深く感じることができ、食材と向き合う時間がさらに豊かになりました。
精進という素朴でストイックなイメージを覆す、色彩豊かな見た目と満足感のある料理の数々に合わせるのは、
京都のティーデザイナーがセレクトする3種類のお茶。
野菜のおいしさを高めてくれる食前茶、音羽山荘の精進出汁と相性のよい食中茶、揚げ物や風味の強い料理をリセットするお口直しの一杯と、全てのお茶を専門店「○間-MA-」監修のもとでご用意。季節毎に味わいも新たに。
「箕面山SHOJIN」は毎月日どりを決めて、完全予約制にて開催しております。 ご予約はお電話またはメールにてお願いいたします。
日程:8月22日(木)
時間:12:00~
料金:季節の精進料理7品とティーペアリング
6,900円(税込)
※前日までの完全予約制となっております